


植物研究者である先代が、30年にわたり植物と向き合い続けた「むらかみ農園」。
その営みは、次の世代へと託されました。
代表を引き継いだ瀧 由里子さんが思い描いたのは、農園の生産部門はそのままに、販売・造園という新たな役割を担う場をつくること。
そして生まれたのが、「花の中に座り、時を過ごす」という想いを込めた「zahana 座花」でした。
私たちはまず、その想いに耳を澄ませました。
暮らしの内と外の境界をほどき、草花に包まれながら心を休める時間を届けたいという願い。日本の風土に合った植物を大切にし、ガーデニングをもっと身近なものにしたいという意志。
ロゴデザインの提案では、店名の由来を軸に三つの方向性を示しました。



瀧さんは「どれも座花らしい」と、簡単には選べないほど悩まれた末、1番目の案に決定されました。
しかし数日後、私たちに一本の連絡が入ります。
「農園で働いてくれている人たちには、また別の想いがありました」
土、種、芽、花、木──育てるという日々の営み。
「むらかみ農園」は、これまで何よりも植物に近い存在だったからこそ、誰にでも直感的に伝わる姿で在りたい。
その言葉は、さらに深い理解を求めるための問いでした。
私たちは再び時間をかけ、瀧さんとの対話を重ねました。
言葉にならない感覚を拾い上げ、原点に立ち返り、「視覚的に分かりやすい」ことを大切に、新たな3案をデザインしました。



最終的に選ばれたのは、「大地に根付く一本の木」を象徴したデザイン。
農園で働く方々の想いを映したロゴマークに、瀧さんの願いを込めた最初の提案のロゴタイプを添え、想いの時間軸が一本につながりました。
このロゴは、「農園のこれまでとこれから」そのものになったと、私たちは感じています。
デザインは、完成させるものではなく、想いとともに育っていくもの。
そう実感させてくれた、忘れがたいプロジェクトです。
アジェクティヴは、「想いが根づき、育ち続けるデザイン」を大切にしています。
ぜひ、あなたの想いを聞かせてください。