使いながら育てる、
会社紹介パンフレット
株式会社荒木組
経営企画部
株式会社アジェクティヴ
代表取締役
磯野 理奈
建築と土木それぞれの未来を具体化する分冊構成

当社で制作した株式会社荒木組様の会社紹介パンフレットは、建築・土木を1冊にまとめた構成でした。しかし、説明会などで活用を重ねる中で、分野ごとの仕事の魅力や違いが伝わりにくいという課題が明らかに。そこで荒木組様から寄せられたのが、「建築と土木を分けて、2冊にしたい」という新たなご相談でした。高校生の心に届く情報設計とは何か。制作の裏側を振り返ります。
今回、またお声がけいただき、ありがとうございます。前回制作した会社紹介パンフレットについて、「1冊を2冊にしたい」という言葉が、とても印象に残っていて。
建築と土木を「分野ごと」に分けたい、そう思って相談させていただきました。
説明会などで実際に使ってみたことで、整理したい点がはっきり見えてきたんです。
具体的に、どんなところですか。
前回のパンフレットは、当社の「建築部門」と「土木部門」が1冊にまとまっていました。そのため、読み手の立場によって、求められる資格やステップが異なるのですが、その違いが伝わりづらい構成だったと思います。
例えば、工業高校に通う生徒さんの場合、入学時から「建築科」「土木科」と分かれているので、それぞれの目線を大切にし、
「これは自分の進路として適しているのか?」
と迷わせない構成を目指しました。
なるほど。
前回のパンフレットで見せ方の手応えは感じていたので、同じ見せ方で、分野別に訴求力を高めようという判断になりました。
10年後の自分を想像できる「すごろく風ロードマップ」に、人生のイベントも描き込む

すごろく風のロードマップは、前回と同じ見せ方を踏襲しています。
資格取得のタイミングや、その先の道筋を、“線”で見せられる点は、前回の形で十分整理できていたと思います。
成長の流れが、一目で分かりますよね。
はい。高校生にとっての「10年後」って、遠すぎず近すぎず、具体的に思い描きやすい未来だと思います。
その点でも、入社1年目から10年目までを見せるこの構成は、今回も活かしたいと考えていました。
どこまでプライベートの話を載せるか、すごく悩んだとのことでしたが。
仕事の話だけだと、どうしても「誰かの話」に見えてしまう。
仕事だけを切り取るのではなく、「人生を形づくる要素としての仕事」という感覚まで伝えられたら、と思ったんです。
だから、「結婚」や「子どもの誕生」といった人生の節目が感じられる構成にしました。
「自分に重なる」と思えるデザインへ。女性イラストを加えた理由

今回、制作の終盤で「女性のイラストを入れよう」という大きな決断がありましたね。
はい。完成が近付く中での判断でしたが、女性の生徒さんにも現場で働く姿を自然に想像してほしい、という思いが強くなって。
最終段階での変更でしたが、むしろ違和感に気付けたことが大きかったですね。デザインとしても、その違和感を見過ごさないことが大切だと感じました。
現実感は出したいけれど、固定的なイメージにはしたくない。そのバランスに悩みましたが、磯野さんが「こういう見せ方なら自然に伝わると思います」と提案していただけて心強かったです。
全体のトーンを崩さずに対応していただいて、本当にありがたかったですね。
細部に至るまで対話を重ね、納得のいく形にたどり着くことができましたね。
「建築」「土木」の2冊に分けたこと、女性のイラストを入れたことで、より多くの生徒さんが“自分の将来像”を重ねやすくなったと感じています。説明会でも、補足の必要がほとんどいらなくなりました。
すぐに結果を出すためではなく、数年後も選択肢に残る会社に。未来へつながる種まきを

このパンフレットは、今後どんな役割を担っていきそうですか。
すぐに結果を求めるものではなく、まずは印象として残る「種まき」ですね。
就職を考える人にとっても、進学を考える人にとっても、どこかのタイミングで、「あの会社だ」と思い出してもらえたらうれしいですね。
就職活動を始めるときや、転職を考えるときにですね。
はい。「あんなパンフレットがあったな」とか、「荒木組って、あのパンフレットの会社だよね」って。
これまで大切にしてきた価値観や、建築・土木それぞれの魅力を丁寧に伝えること。そうした積み重ねは、対話を重ねる中で少しずつ輪郭を持ち、最終的には言葉やビジュアルとして形になっていくのだと、あらためて実感しました。
これからも、一つひとつの対話を重ねながら、荒木組さんの採用ツールをともに育てていけたらうれしいです。
大正10(1921)年創業、岡山県内を中心に建築・土木工事の設計、施工を手がける総合建設会社。
品質重視の経営方針と高い技術力による幅広い施工実績で、顧客や地域社会のニーズに応え続けている。
また、WEBメディア「アラキズム」では、仕事の魅力や現場の裏側、挑戦のプロセスなどを紹介。社員の姿や取り組みを通して、荒木組の価値観から文化、ゼネコンの「内側」まで感じられる記事を発信している。